2026年9月発行のかわら版に掲載されている問題です
<問題>
今回は基本に戻りましょう。
C.フランクの「前奏曲、フーガと変奏曲」。
まず、フランスのロマン派以降の曲は、カヴァイエ・コルの建造したオーケストラを意識したオルガンを知ることが重要になります。
また、伝統的にフランスでは作曲家によるレジストレーションの指示が書き込まれており、フランス語のストップ名、レジストレーション等の指示を理解することが前提となります。
もっともフランス語を学ぶほどのことはありません。頻出する単語の意味を知るだけで十分対応できます。
それでは「前奏曲、フーガと変奏曲」に出てくるレジストレーションを調べてみましょう。
まずは曲頭に出てくる基本的なレジストレーションの指示から。
前奏曲 R. Bourdon de 8 pieds ,Flûte de 8 pieds ,Hautbois de 8 pieds
P. Flûte de 8 pieds
G.O. Bourdon de 8 pieds
PED. Flûte de 8 pieds et 16 pieds
Clavieres séparés
R. P. G.O. PED. は鍵盤を表します。
R.はRécitレシ P.はPositifポジティフ G.O.はGrandOrgue グラントルグ PED.はPédale ペダル
piedsはフィート 8フィート、16フィートetc.
Clavieres (鍵盤)séparés(分かれて) カプラーなしで
deは「~の」 例 Bourdon de 8 pieds 8フィートのブルドン
etは「~と~」例 8 pieds et 16 pieds 8フィートと16フィート
Lent R. Fonds 8 et 4 pieds, Anches de 8 et 4 pieds
P. Fonds 8 et 16 pieds, Prestant
G.O. Fonds 8 et 16 pieds, Prestant
PED. Fonds 8 et 16 pieds
Clavieres (鍵盤)accouplés(連結して) 鍵盤カプラーをかけて
Tirasses ペダルカプラーをかけて
Fondsはファンデーションストップの意味で、8フィート、4フィートのプリンシパル及びフルート系のストップを指します。基本的にガンバのようなストリング系ストップは除きます。
Anchesはリード管ストップで、トランペット、オーボエのような共鳴管の長いストップを用い、ミュゼットやレガールのような共鳴管の短いものは除きます。
Prestant(プレスタン)はプリンシパルの4フィート
以下フーガ、変奏曲は同様に理解できます。
曲中に見られるレジストレーションの指示
前奏曲 Ajoutez(加える) un(1つ) jeu(ストップ)de 8 ou(あるいは)de 4 pieds à (~へ) la Pédale
Otez(取る)le(定冠詞) jeu de 8 ou 4 pieds
これさえ理解できれば、レジストレーションが可能になると思います。
それでは、アトリオン音楽ホールのオルガンでレジストレーションをしてみましょう。
アトリオンのオルガンは第1、第2鍵盤はフランス古典期のアルザスのジルバーマンと呼ばれる楽器が基本で、そこに第3鍵盤を加えることでロマン派の演奏が可能となっています。
楽譜資料
https://imslp.org/wiki/Pr%C3%A9lude%2C_fugue_et_variation%2C_Op.18_(Franck%2C_C%C3%A9sar)
※解答はかわら版よりも早く10月か11月にお知らせします